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 『ともだち」 〜今までに対応してきた生徒より〜 





昨日のKちゃん。
塾に来るなり、机に突っ伏して泣いていた。
その日のKちゃんの授業の担当は、ボク。


時間になり、Kちゃんの隣に座る。
(こちらの塾は、「個別指導」で先生1名に対して、生徒を2名見るシステム)

「宿題、やってきてる?」

かすかに首を横に振る。

「で、今、やってるの?」

かすかに首を縦に振る。

「まぁ、ええわ。じゃ、もう少し時間取るから、やってみて。」

かすかに首を縦に振る。

机に突っ伏した感じから、少し顔を上げたような姿勢で、でも顔を見られないように、問題を解いている。





きっと、一昨日、Kちゃんの話していたことが関係しているのだろう。
学校でKちゃんは、3人グループに入っており、その中の1人が、最近しつように、Kちゃんの嫌がることを言ったり、したりするらしい。

もう1人の子も、その子が怖いのか、少しKちゃんのことを悪く言うことがあるそうだ。



きっとそのことで、「裏切られた」ことが、悲しかったのだろうと思う。


暫く問題を解かせていたら、不意に顔を上げて、


「センセ、この問題がわからんのじゃけど・・・」
と涙声で聞いてきた。


目を真っ赤に腫らしていた。


「良く頑張っているね!
宿題を忘れたのは、許せんけどっ!(笑)」
って、ちょっとボクもかぶりをふった。




でも、同情はしない。
「どうしたの?」
なんて理由もボクの方から聞いたりはしない。


自分から話したくなるまで置いておく。
自分から話したくなるような人間関係を築いているかどうかが、ここで試されると思う。


「泣く」という感情表現も、「笑う」というそれと同じなのだと思う。
特に、女性の「泣く」ということは、ストレスと開放するために泣くことが多い。
だから、泣いた後は、案外「ケロっ」としているものだ。


その後は、確かに、プリントに何粒も涙を落としたり、何度もティッシュで鼻をかんだりしていたが、
頑張って問題を解いていた。


ボクも努めて冷静に、そして時々いつものしょうもないギャグを入れながら、授業をしていた。
Kちゃんも、涙声で笑いながら、授業を受けていた。





そして、授業が終わる時間になった時、
「センセ。今日、なんでウチが泣きよったか知りたい?」
と聞いてきた。


「ん? 
あんな、気にするな。

何言われたかわからんけど、気にせんでも良いよ。」


「え! センセ、何があったか、知っとん?」


「ん? いや、でも大体想像はつくよ。」


「そうなん・・・。センセ、意外に優しいなぁ〜。」


「ははは。(笑) 『意外に』は余計じゃろ!(笑)」


「ははは。(笑) 意外にじゃって!(笑)」




そして、塾から帰るとき、
「あんな、センセ。
 今日はな、ホントは塾行くの止めようかと思っとったんよ。
 じゃけどな、今日、塾に来てよかったわ!

 ありがとな!」
と言ってくれた。


こういう一言が、実は本当に嬉しいんです。



子ども達の解いたノート


   

   

   


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