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 『計算はできるけど」 〜今までに対応してきた生徒より〜 





今日は、小4の男の子の体験授業を担当した。
80分の間に算数と国語を見るのだが、わり算の計算をさせても結構できる。

本人は、
「勉強はどれも苦手」
と控えめなコメントだったが、ちょっと出来すぎて、ボクとしてはちょっと拍子抜けしてしまった。(笑)


しかし、
「やっぱり、自分のことはちゃんと分かっている!」
と思わせることが起こった。



文章題を解かせると、全くどうしていいのか分からないみたいだ。



『赤い紙を3枚、青い紙を4枚ずつ配ると、全部で56枚必要でした。
何人に配りましたか。』

という問題になると、何をどうして良いのか分からない
3と4をかけてみたり、56を4で割ってみたり。



「あのさ。国語、苦手?」


「・・・」
(黙ってうなずく。)


「そっか、ちょっとさ、この問題を置いといて、国語やろっか?」


「・・・」
(黙ってうなずく)


小4だが、国語が苦手な子は、まず『文章を正確に読む訓練』をしなければならないと思う。


ボクが選んだのは、小2の国語のまとめ問題。

「じゃあさ、これを音読してみてくれる。」





案の定というか、「をにては」を見事に飛ばして読んでいる。
そして、漢字が出てくる度につまる。


なんとか、1度目の音読を終えた。
B5上半分に印刷された300字ほどの文章を読むのに、5分近くかかった。

国語が出来ない子にありがちな、
『何度も同じところを読む』
『文字を自分が読みやすいように組み替えて読む』
ことが頻発した。


「じゃあ、今度はセンセが1文ずつ読むから、ついて読んでな。」

正確に読むということを体験させる。
もちろん、「をにては」を、少し強調するように音読をする。

それは出来た。


「よし、じゃあ、今度は一人で読んでみて。」

一人で読ませる。

そうすると、3分を切るスピードで読めた。


「おおっ! すごいじゃん! 最初に読んだ時は、5分以上かかってたんだよ!
3回目で、もう3分を切るスピードで読めたね!

じゃあ、今度は2分を切れるかやってみようか?」


5分ほど、一人で練習をさせてみる。



「2分15秒。」


「ああぁ〜! もう少しだったのに〜!


少しずつ、こっちのペースに乗ってきた。(笑)


「ああ、惜しいね! じゃあ、あと3分あげるから、練習してごらん。」


一生懸命頑張っている。


ボクは、こういう子どもの目が好きだ。


「よし、じゃあ、始めて。」



「1分35秒!」


「うわぁ〜! やったぁ〜!」


本当に嬉しそうな顔をしている。


「ほら、やったらできるじゃん。ね!
大丈夫、大丈夫!

よぉ〜し、次は『書く』ほうだよ。

さっきの文章を今度は、この原稿用紙に書いてもらうよ。

時間は5分。


どこまで書けると思う?」



「う〜ん、このくらい」(半分くらい)


「よし! じゃあ、そこを目指してがんばろうか?
よ〜い、ドンっ!」





「はい、5分。どう?」

ちょうど5行書けている。


「う〜ん、思ったより書けなかった・・・。」


「そうじゃなぁ〜。
でもな、センセ、2つ気付いたことがあるんじゃけど。
言っても良い?」


「いいよ。」


「まずは、K君な。1字ずつ見ながら写してるじゃろ?
それは、時間かかるって!(笑)

速く書こうと思ったら、なるべくさ、長い文章を覚えて、首を動かさないようにした方が良いんじゃない?」


「ああ! なるほど! そっか!!
センセ、あと1つは?」


「あと1つはな、K君は字の写し間違いが多いかな。
さっきもさ、『商店』ってところを、『店商』って書いて消してたでしょ?
消しゴムで消すのも、時間が結構かかるよね?

そういうミスをさ、減らしていけば、もっと速くなるんじゃない?」


「うん! そうか・・・!
分かった。やってみる。」


その後、ちゃんとボクの言うことを守って練習しているK君。

4回目では、8行も書けるようになった。
練習をすれば、きちんと成果が出ることが、ちょっと理解できたようだった。



「あのね。勉強にも、ある程度『やり方』ってあるんだよ。

K君さ、授業の前に『サッカーが好き』って言ってたでしょ?
サッカーが上手になりたいからって、むやみやたらにボール蹴ってても、上手くならないでしょ?」


「うん。(笑)」


「ね。(笑)
やっぱり、正確にパスをするとか、ちゃんとゴールの中にシュートするとかさ、目的を決めてから、練習するじゃない。

勉強も同じだよ。
むやみやたらにしても、そりゃ、しないよりは上がるかもしれないけど、ちゃんと、どうすればもっと上手くできるかな、って思いながらしたら、絶対成績なんてすぐに上がるよ。

だって、今日も80分がんばったら、できたでしょ?

センセもさ、もしK君が何回やっても、同じくらいしかできないんだったら、仕方ないかな〜って思うけど、練習をした分はちゃんとできるようになってるじゃない?

ということは、勉強が出来ないっていうのは、自分がやってないだけだよ。
わかる?」


「はい。わかりました。」


「よし!(笑)」



とっても良い顔で帰っていった。

10分ほどして、お母さんが来られた。



「センセ!
あの子が家に帰ってくるなり、
『ぼく、塾に行って勉強するけぇ〜!』
って言ってました。

本当にありがとうございます!」


と深々と頭を下げられた。


「いえいえ、頑張ったのはK君です。しっかりと褒めてやってください。
たぶん、今までで今日が一番勉強しているはずですから。(笑)」


「ははは。(笑) そうですか。」


こういう家族の繋がりのきっかけも、塾で演出できることは、本当に嬉しいことだ。






※ここでは、算数の文章題を「国語力不足から」と認識をして、国語の問題に移行していますが、その後であった「どんぐり倶楽部」の算数の文章題に出会って、この考え方を改めさせられました。

算数の文章題を「絵に描く」というやり方で、問題を視覚化して解かせる。
そうすれば、子ども達は、自分で問題を丁寧に読み、問題を理解しようとします。

スラスラ読むことができても、問題文の意味が分からなければ、やってる意味がありません。

もっと早く出逢っておきたかった教材です。
                                           2008.7.31




子ども達の解いたノート


   

   

   

 



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